https://news.yahoo.co.jp/articles/8a6edd...10a070402d
読売新聞
厚生労働省は29日、2021年の日本人の平均寿命を発表した。男性が前年より0・09歳短い81・47歳、女性が0・14歳短い87・57歳で、ともに10年ぶりに前年を下回った。新型コロナウイルス感染による死亡者の増加が影響したという。
コロナ影響で10年ぶり平均寿命縮む…男性が0・09歳、女性0・14歳短く
(写真:読売新聞)
20年まで男性は9年連続、女性は8年連続で過去最高を更新しており、前年を下回るのは、東日本大震災による死者の増加が影響した11年以来。
平均寿命は、1年間の死亡状況が今後も続くと仮定し、その年に生まれた0歳児が平均で何歳まで生きるかを予測した数値。21年はコロナで前年の約5倍の約1万6700人が死亡し、コロナ死だけで男性は0・1歳分、女性は0・07歳分、平均寿命を短くする影響があった。
一方、20年にコロナ死者の急増で平均寿命が大幅に下がっていたスペインやフランス、イタリアなど欧州諸国は、21年は上昇に転じた。ただ、コロナ禍前の水準には戻っていない。
海外の最新統計をもとにした国別の比較では、女性は前年に続いて世界1位、男性はスイス、ノルウェーに次いで3位で、前年の2位から順位を一つ落とした。
平均寿命にくわしい鈴木貞夫・名古屋市立大教授(公衆衛生学)は「日本では20年は感染対策の徹底で肺炎やインフルエンザでの死者が減ったことで、過去最高の平均寿命となった。今回の縮まりはその揺り戻しとも言える。医療の進歩や健康意識の高まりで長期的には寿命は延びていくだろう」と指摘する。